
高齢化や障害により体力やバランス感覚が低下すると、家の中の「段差」が危険なバリアになりがちです。
一方で、正しく工夫された段差は"リハビリのチャンス"として活かすこともできます。
今回は、自宅にある段差を活かしたリハビリの考え方と、そのための住宅改修についてご紹介します。
段差の昇り降りは、足腰の筋力やバランス力を自然に使う動作です。
ですが、「安心・安全」を配慮した環境でなければ、転倒リスクが高まります。
適切な対策を施すことで、「段差」が危険から"日常リハビリ"の味方に変わります。
段差は「危険」と思われがちですが、身体状況や家の環境に応じて工夫すれば、生活の中で無理なくトレーニングできる"機能回復の場"として活かすことができます。
段差を活用することで期待できる主なリハビリ効果と、具体的な住宅改修のポイントを詳しくご紹介します。
脚力やバランス感覚の向上
段差の昇り降りは、太ももやふくらはぎなど下肢の筋力強化に直結します。また体のバランスをとる練習にもなり、転びにくい体作りに役立ちます。
日常動作を維持・改善
玄関やトイレ、浴室などでの段差を昇り降りできることは、自立した生活を続けるための大切な力です。生活の一コマ一コマがそのままリハビリになります。
高さの違うステップの設置
「高すぎる段差」は小さなステップを追加設置することで、段階的に昇降できる仕様に変えます。ご本人に合わせた段差高さを調節できる可動式ステップも有効です。
昇降のタイミングを増やす間取りの工夫
生活動線上にあえて"低めの段差"を残すことで、自然と何度も昇降運動を取り入れられます。例えば、リビングから和室、玄関への導線など。
安心のための手すり設置や床材改良
手すりを段差の両側または移動経路に配置することで転倒リスクを低減します。また、滑りにくい床材・カーペットを使い、安心してトレーニングできる環境に。
見守りや声かけがしやすいレイアウト
段差のすぐ近くに家族が視線を送りやすいように配置したり、必要に応じて一緒に昇降練習を行うなど、"孤立しない環境作り"も大切です。
目印や踏みやすさにも配慮
段差のふちに色付きテープや明暗差を施すことで、視認性を高め、踏み外しによる事故を減らします。
リハビリのためにわざわざ特別な時間を作るのは大変ですが、家の中で日常的に行う動作(例えばトイレや玄関の出入り)で、さりげなく足腰を使える仕掛けを作ると、無理なく続けることができます。
段差を「危険なもの」と決めつけず、安全対策と創意工夫を施して"リハビリの場"として活用することが、自宅での健康維持につながります。
住宅改修による工夫で、毎日の暮らしの中にリハビリを取り入れてみませんか?
