
朝の光がカーテン越しに差し込むと、
小さな足音がトコトコと畳を駆けていきます。
和子さん(78歳)の愛犬・ポチ。
10年以上の付き合いになる、かけがえのない家族です。
「おはよう、ポチ。」
そう声をかけると、しっぽを大きく振って応える。
その姿に、和子さんの顔が自然とほころびます。
けれど、最近は少しの不安も感じていました。
廊下を歩くと、足元が冷たくて思わず身をすくめる。
お風呂場との温度差が怖くて、
「ヒートショックにならないかしら」と胸がざわつく。
掃除をしていると、ポチが心配そうに寄り添い、
かえって転びそうになることもありました。
「このままじゃ、ポチにも負担をかけちゃうかもしれない」 そう感じた和子さんに、娘さんが住宅改修を提案しました。
「床を滑りにくい素材に変えると、お母さんもポチも安心ですよ」
リフォーム担当者の言葉に、娘さんは頷きました。
クッション性のある床材は、転倒防止にもなり、
ペットの足腰にもやさしいそうです。
さらに、介助動線を確保するために、
ペット用のゲート位置を見直すことにしました。
介護時にポチが入り込みすぎないよう、
でも寂しくならない距離感で過ごせる工夫。
「これならお互い安心ね」と和子さんも笑顔を見せました。
もうひとつ、業者から提案されたのが換気と消臭の工夫。
トイレやリビングに調湿機能のある壁紙を使い、
空気のこもりや臭いを防げるように。
「ポチの匂いも気にならないし、空気がきれいだと気持ちがいいわ」
と、和子さんは嬉しそうです。
最後に設置したのは、二重窓。
外の冷気を遮り、室温を安定させてくれるだけでなく、
ポチの鳴き声も外に響きにくくなりました。
冬の朝も、リビングがほんのり暖かい。
「寒くないね」と和子さんはポチをそっと抱きしめました。
改修費の一部には、**国の補助制度(先進的窓リノベ2024)**を活用。
今年度の予算に間に合わせるため、
11月下旬から12月上旬までに申請を済ませました。
窓から差し込む午後の光の中、
ポチが和子さんのひざの上で丸くなります。
「ここが一番落ち着くね」
そう語りかけるように、穏やかな寝息を立てるポチ。
和子さんはその小さな背中をそっと撫でながら思います。
“この家で、これからも一緒に過ごしていける”——
それだけで、心が満たされるようでした。
介護とペットのある暮らしは、決して特別なことではありません。
少しの工夫と住まいの整え方で、
「人にも、動物にもやさしい毎日」がちゃんと続いていくのです。
あたたかさと安心が重なる家。
そこには、今日も変わらない愛情と、静かな幸せが息づいています。
お住まいの環境改善や介護にやさしいリフォームについて、 専門スタッフが丁寧にご相談を承ります。
